着物の種類

ushikubitsumugi
【概要】
白山市の白峰は石川県の東南に位置し福井県や岐阜県との県境、そして霊峰白山の麓にある山村です。豊かな自然に囲まれた一級河川「手取川」の水源に当たるこの土地は明治初期まで、白峰の守護神としてあがめられていた「牛頭天王」の名をとって牛首村と呼ばれていました。牛首紬に無くてはならない「玉繭・手挽き糸」という技術はこの静かな山里で代々伝えられてきたのです。その歴史は大変古く、800年以上前の平治の乱で敗れた源氏の落人、大畠某がこの地に流れ着きその妻女が村の娘に機織技術を伝授したとされています。江戸時代には全国に流通されていたといわれる牛首紬は明治から昭和にかけて生産量を増加させていきますが、経済危機や太平洋戦争の影で本格的な手作り織物は姿を消してしまうこととなります。しかし昭和38年ごろ、細々とではありながら村人に伝えられ続けてきた紬の技術が白峰の地元産業奨励のあおりを受け日の目を見ることになります。養蚕も開始し地元の人たちの努力もあっていまでは日本が誇る高級紬として全国で愛されています。

【工程】
雪の深い山間の村には農耕地が少なく養蚕が貴重な産業になっていました。この紬は全体の繭の中でも珍しい蚕の幼虫が2頭で繭を作ったときに出来上がる玉繭を原料として作った糸で織られています。蛹が2頭以上で糸をはいて作るためそこから糸を引こうとすると絡み合ってしまいなかなかきれいな糸が出来ませんがそれがゆえに独特の光沢とぬくもりがある牛首紬に仕上がるのです。
最も重要な工程とされる玉糸作りは大変難しく職人の腕とカンが頼りです。出来上がった上質な糸は弾力性と耐久性に優れ、古くから釘に引っかかっても破れないといわれるほど丈夫だということで知られていました。さらに牛首紬の生産は各工程を分業では行いません。非効率的に聞こえるかもしれませんが全工程を一貫作業で行うのです。ただひたすら織物の美しさを求め生産に携わる人々はすべての工程に必要とされる知識や技を有し、丁寧に織られる布は包み込むような心地よい肌触りになるのです。染織も伝統的な手法がとられてきました。他の地域でも定番の染め方として使われる藍染め、そして1つの草木からいろいろな色が染められるという伝説がある黒百合染めです。さらに紬といえば大抵先染めによるものですが、加賀友禅の故郷、加賀の土地ならではの鮮やかな模様が特徴である後染めの牛首紬も存在しています。
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