着物の種類

echigojoubu
【概要】
とても通気性に優れていて、さらさらとした肌触りが心地いい、夏着尺としては最高級の麻織物です。主原料は「苧麻(ちょま)」で、その技術は昭和30年に国の重要無形文化財に指定され、平成21年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。原料となる植物の苧麻はイラクサ科の麻の一種で、新潟の寒い冬を乗り越えても生き延びることが出来るいわゆる「多年草」です。「からむし」とよばれることもあり、川をはいで製糸用に取り出した繊維のことを「青苧(あおそ)」と呼びます。これを細く裂いて一本ずつつなぎ合わせることで糸にしていきます。越後上布のように薄くて丈夫な布を織り上げるにはこの上質な細い糸が必要になりますが、細くなればなるほど全ての工程がより難しくなります。その高い技術力によって生み出される高級麻織物ですが、江戸時代には20~30万反あった生産量は現在80反ほど減少しており、後継者の高齢化により、幻の織物となってしまうことが懸念されています。

【工程】
越後上布の生まれ故郷である十日町市は新潟県の南部に位置し、日本一の河川信濃川が流れ冬には2メートルを超える積雪がある地域があります。そんな雪の深いこの町ならではの工程が雪晒しです。これは国の重要無形文化財にしてされている作業のひとつで、越後上布の生産にはかかせません。この地域では珍しい晴天の日の日中に織りあがったばかりの布を雪の上に広げます。そうすることで原料である苧麻からでる色や製作の途中で塗られた糊、そして細かな汚れなどを除去し布自体を白くすることが出来るのです。ではなぜ布を雪の上に広げることで織物が真っ白になるのでしょうか。その秘密のひとつは越後上布が植物性の原料で織られた布であるということが関係しています。直射日光と雪面からの反射で強い紫外線が雪にあたり表面が解けて水蒸気になります。その水蒸気の極わずかが酸素と水素に分離します。この酸素が同素体のオゾンに変わるのですが、このオゾンに漂白作用や殺菌作用があるため織りあがった布を雪に晒すことで織物が白くなるのです。絹織物ではありえない高級麻織物だからこそ出来る工程です。科学の知識などないはずの当時の職人たちの知恵には頭が上がりません。さらに長年の着用でついたしみや汚れを雪晒しできれいに修繕するために越後上布が十日町に帰ってくることがあります。当時の人たちはこれを里帰りと読んでいたといわれ、地元の名産品への愛情が感じられます。
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